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2016年2月16日 (火)

欧州鉄道模型 発煙装置の情報まとめ(主にゾイデ製品)

Db0110_3

 

ヨーロッパ型鉄道模型の楽しみ方の一つとして発煙が楽しめるというのがあります。

 

その方法は注入した特殊なオイルを発熱して蒸発させることで煙を出してますが、Seuthe(ゾイデ)社がその発煙装置を昔から販売しており、メルクリン等の車両メーカーがその発煙装置を取付可能な車両を多数製品化しているため、ユーザーは発煙装置を買って車両に差し込むだけで発煙を楽しめるようになっています。
ということで、発煙を楽しむためには発煙装置、発煙剤、対応した車両が必要ですが発煙装置もどれを選べばいいのか、ROCOなどのプラ車両の発煙対応など疑問に思ったところがあったので、皆さんの記事などを見ながら整理してみました。

 

Br53_2p
例:メルクリンの巨大機 BR53。左:ゾイデの発煙装置取付済、右:無し。

 

Br53_up2_2

拡大するとこんな感じで穴の真ん中に芯が出ています(中古車両の煙突にこれがあれば発煙装置付きということでラッキーと思ってしまいます)。

 

Br53cut

ネットで見つけたBR53のカットモデル(37029)画像を見ると、上から刺した円筒型発煙装置が下の端子に接触して通電していることが分かる。

 


■発煙装置

535

 

<参考記事>
・Seuthe(ゾイデ)社のHP:Dampfgeneratoren für Lokomotiven(機関車用発煙筒製品一覧)
 その他に建物用船用など分類がある
・鉄道模型のある生活:発煙装置(種類や仕組み、使い方など)
Seuthe(ゾイデ)の発煙装置の値段はだいたい3千円代~5千円代ぐらい。
以下表のように色々種類がありますが、メインのH0ゲージ用については、取付準備対応用(英語で分かりやすくいうとプラグイン対応)と改造取付用の2種類に分ければ分かりやすいと思います。
またゾイデ以外からもメルクリンやROCOからも発煙装置を発売してます(おそらくOEM品。なおゾイデ製品は発煙剤や注入用注射器が一緒についている)。
 
  <プラグイン対応用:車両製品側に発煙装置取付準備(差し込み口、発煙用電極有)がされていればこの対応用発煙装置を差し込めばOK>  
  ゾイデ型番 電圧等 概要  
  No.10
(M:7226)
10-16V 5mm(円筒型)の基本製品  
  No.11
(R:114225)
16-22V 5mm(円筒型)の高電圧用。デジタルの常時高電圧がずっと発煙装置にかかる車両用。低い電圧だとあまり煙が出ない。  
  No.9 8-14V 5mm(円筒型)の低電圧用。2線アナログの低電圧から発煙させる用、それより高い電圧だと発熱し過ぎる。  
  No.20
(M:72270)
10-16V 3.5mm(とっくり型)の基本製品  
  No.24
(R:40160
R:106664)
16-22V 3.5mm(とっくり型)の高電圧用。デジタルの常時高電圧がずっと発煙装置にかかる車両用。  
  ※カッコ書きは他社同等品(M:Marklin、R:ROCO)  
         
         
  <改造取付用:自分で車両加工等して取り付ける用。コード有りや耐熱カバー付きなど>  
  ゾイデ型番 電圧等 概要  
  No.12 16-22V 5mm(円筒型)、高電圧用、コード2本有り、別付け耐熱パーツ付属。No.11にコードが付いたタイプ。  
  No.99 8-14V 5mm(円筒型)、低電圧から発煙、コード2本有り、別付け耐熱パーツ付属。No.9にコードが付いたタイプ。  
  No.100 10-16V 5mm(円筒型)、標準的な電圧用、コード2本有り、別付け耐熱パーツ付属。No.10にコードが付いたタイプ。  
  No.21 10-16V 3.5mm(とっくり型)、標準的な電圧用、コード1本有り、装置剥き出し。No.20にコード1本が付いたタイプ。  
  No.22 10-16V 4.5mm(とっくり型)、標準的な電圧用、コード2本有り、耐熱カバー。No.20にコード2本が付き、耐熱カバーのため少し太くなっているタイプ。  
  No.23 16-22V 4.5mm(とっくり型)、高電圧用、コード2本有り、耐熱カバー。No.24にコード2本が付き、耐熱カバーのため少し太くなっているタイプ。  
  No.27 10-16V 4.5mm(とっくり型)、標準的な電圧用、コード2本有り、耐熱カバー、全長が少し短め。No.22の全長が少し短くなって用途がH0,TT用になっている。  
  No.28 16-22V 4.5mm(とっくり型)、高電圧用、コード2本有り、耐熱カバー。No.23の全長が少し短くなって用途がH0,TT用になっている。  
  No.5 4.5-6V 10mm(円筒型)大型模型用。かなり低電圧から発煙、コード2本あり。  
  No.6 10-14V 10mm(円筒型)大型模型用。低電圧から発煙、コード2本あり。  
  No.7 11-16V 10mm(円筒型)大型模型用。標準的な電圧用、コード2本あり。  
  No.8 16-22V 10mm(円筒型)大型模型用。標準的な電圧用、コード2本あり。  
  No.503 10-16V 発煙芯が剥き出し型?大型模型用。標準的な電圧用、コード2本あり。  
         

 


 

■どの車両にどの製品を取り付ければよいか

 

<参考記事>
・名古屋メルぽっぽクラブ:(4) 発煙装置(Smoke Generator)について 発煙装置の仕様とメルクリン車両の組み合わせについて

 

左側のseuthe_produkte_daten01052.jpgに、ちょっと古い時代(80年代?)ですが、各社の車両の製番とゾイデの型番の組み合わせが書いてある。メルクリン、フライッシュマン、ROCOなど
 
取付準備がされている車両にどの発煙装置を付ければいいかについては以下。

 

・車両の取扱説明書の記載に従うこと(記載場所などは以下の説明書事例を参考にしたり、発煙装置を表すDampfgenerator(独D),steam generator(英GB)といったキーワードが書かれている場所を探す)。なおカタログなどにはほぼ記載されてないので、車両を買う前に発煙可能か・対応装置はどれかの判断は難しい。

 

・注意事項としてはメルクリンやROCOなどは自社の発煙装置の製番を書いている場合があるのでそれを入手するか、上記の発煙装置一覧を参考にゾイデの同等品を入手する
・取扱説明書が参照できない場合は、発煙装置一覧や以下の事例記載を参考に判断してください(ポイントとなるのはサイズと、使用する電圧による発熱状況で、取り付けられるのが5mmか3.5mmか、アナログ操作オンリー(低電圧)かデジタル(高電圧)も使うか、デジタルは発煙ONOFF制御するか発煙しっぱなし(=発熱)か)
 以下に各メーカーの発煙装置指定例を挙げます。
<メルクリン>
メルクリンはダイカスト車体が多く発熱に強いため、車体に直接発煙装置を差し込めば発煙できるようにしている車両が多いです。
ざっくり分類すると次のようです。

 

 (1)現在のデジタル車両 「直径5mm Nr10」、「直径3.5mm Nr20」
 (2)交流アナログ車両「直径5mm Nr10」、「直径3.5mm Nr20」
 (3)デルタ(デジタルの簡易版)車両、80年代~90年代の初期のデジタル車両「直径5mm Nr11」、「直径3.5mm Nr24」

 

 (3)だけが特殊で”デジタル対応”となっているNr11,Nr24の高い電圧対応製品である必要があります。時代とともにデジタル車両の発煙装置の制御が変わっているためで、以下例は同じBR52蒸気機関車系統の説明書ですが時代・制御によって該当番号が変わっています。

 

 

Ma_br52_2

例:BR52その1 (アナログ、初期デジタル混在時代)
メルクリンのBR52系の機関車は円筒型の発煙装置を付けます。
ごく初期のデジタル製品(3793)は発煙装置のON/OFFが無く線路直結で発煙しっぱなしなので指定は次のようになってます。
アナログ機の場合:7226(=Seuthe No10)
デジタル機の場合:Seuthe No11(高電圧用)

 

 

 

 

 

 

Ma_br52_de

例:BR52その2(デルタ、デジタル混在時代)

 

デルタ制御車両(34***の製番)の場合:
    ・交流アナログ(16V)で走らせる場合はMarklin 7266(=Seuthe No10)
    ・DELTAもしくはDigitalコントローラーで走らせる場合はSeuthe No11(DELTA車両は発煙装置に線路直結で高電圧がかかるため)

 

デジタル制御車両(37***の製番)の場合:Marklin 7266(=Seuthe No10) ※デジタルのファンクションで発煙制御しデコーダー経由の電圧となったので高い電圧がかからないため

 

Ma_br52_3

 

 

 

 

 

例:BR52その3(デジタルのみ時代)

 

2000年代中盤以降のBR52系製品は、発煙制御するデジタル制御車両だけになったのでMarklin 7266(=Seuthe No10)だけ記載している。

 

 
最近の発煙装置取付可能な車両はデジタルで発煙制御するようになったのでSeuthe No10(5mm)かNo20(3.5mm)を選べばいいですが、例外としてBR24は線路直結で煙が出っぱなしなのでSeutheのNo24が指定されているようです(参考”三太のメルクリン”記事

 

【メルクリン以外の主にプラスティック車体のメーカー製品】
ROCO等の蒸気機関車はもちろんプラスチック車体のためメルクリンのように車体で発煙装置を保持すると溶けてしまうので、プラ車体には触れずに車体内部のダイカスト部分で固定する方式をとっています(私はてっきりプラ車体なので発煙装置も耐熱カバー付きを選ばないといけないと勘違いしていました)。
そのため発煙剤を注入するときに発煙装置が煙突の奥の方にあるので入れにくいかもしれません。
利点としては発煙装置入口の形と煙突の形を合わせる必要がないので、以下例のBR18.201のような特殊な形の煙突でも発煙可能な製品を出してきています。
 
<ROCO>

Roco_br18201

 

例:BR18 201 この機関車はプラ車体で煙突は楕円というか細長い穴になっているが、その煙突を一時的に外しその車体の奥に円筒型の発煙装置をセットした後、またプラ製煙突を付ける形式になっている(写真はプラ製煙突を外して奥の固定部分が見えている状態)。
取り付ける発煙装置の指定は、当機関車の2線式直流アナログ製品(63201)の場合はSeuthe No10、メルクリン3線式互換のACデジタル製品(69201)の場合はSeuthe No11 となっている。

 

Roco_br80_106664_2

例:BR80 とっくり型発煙装置(ROCO10664=Seuthe No24)をセット。メルクリンのBR80は発煙準備されていないので、H0ゲージで発煙準備がある最小の機関車はこのROCO製 BR80と思われる。

 

 

 

 

 

 

 

Roco_br0310_40160

例:BR03.10 とっくり型発煙装置(ROCO40160=Seuthe No24)をセット。また煙突を通常部品から発煙専用部品に交換している。

 

 

 

 
 
<liliput>

Br42_2

例:BR42 円筒型の発煙装置で、取扱説明書には2線式直流アナログでの使用を想定してSeuthe No9(低電圧から発煙可能)が指定されている。

■発煙剤
ゾイデの発煙装置を買った場合は一緒に10mLの発煙剤が付いてきますがすぐになくなります。追加で発煙剤だけ購入となりますが容量が10mL,50mL,250mL,1Lなど種類があります。

 

<参考記事>
・Seuthe(ゾイデ)社のHP:Dampf-Rauch-Destillate(発煙剤製品一覧)

・ガリトン(メルクリンショップ):SEUTHE(発煙装置と発煙剤)、メルクリン-その他パーツ(発煙装置と発煙剤)

・Spielkiste:TRIXとLGBの発煙材
・名古屋メルぽっぽクラブ:(3) Seuthe社製 蒸気の素 (Seuthe-106)

■発煙装置・発煙剤など入手方法

・メルクリン専門店だとメルクリン製品かゾイデ製品の現物在庫がある確率が高いです。
・その他の欧州鉄道模型店でも取り扱いはしているところは多いはずです。
いずれも現物在庫が無い場合は、取り寄せしてもらえば多少時間はかかるかもしれませんが入手可能です。

 

 


■発煙装置取り付け
実際に発煙装置を取り付ける時の力加減や注意事項などは皆さまの記事が参考になります。
<参考記事>
・名古屋メルぽっぽクラブ:(5) 発煙装置の取付け
・Spielkiste:7226 発煙装置キットとその取付け
・銀座「ショールーム」:発煙装置を付けてみよう(HOゲージ)!!

 

 

・動画 Marklin 72270 Smoke in Marklin 37160 :とっくり型の発煙筒72270を下から取付る映像
三太のメルクリン 発煙装置 7226と72270を取り付ける手順を紹介してます。

■実際に発煙させるときの注意事項やメンテナンスなど
実際に発煙させるには車両に発煙剤注入→走行させ発煙→煙が出なくなったら発煙剤補充となりますが、この辺は実際に運転会やイベントなどで長時間発煙させている方のほうが注入テクニックやお勧め道具など色々ノウハウあると思うのでぜひ教えていただきたいです。

・発煙剤の注入量は少しが基本(発煙装置の底に少しあるぐらい。多すぎると発煙しなくなる)
・ゾイデ製品を入手した場合は注入用注射器も入っているので、それを使って煙突の入口から注入。他OEM製品を買って注射器を持ってない場合は、同等の道具を用意して注入。
・遊び終わって、車両を箱にしまう時に発煙装置に発煙剤が残っていると箱の中でぶちまけてしまうので、しまう前に煙突にティッシュなどを当てひっくり返し残った液を吸い込ませる。

その他

■発煙剤の代用品
純正の発煙剤が入手しにくいときに代用品は無いの?と思ってしまいます。

 

これは本当に自己責任でということになりますが、発煙剤と同等or類似のものとして「リグロイン」「流動パラフィン」「プロピレングリコール」というのが考えられるようです。いずれも常温で蒸発しにくく低温100度以下で沸騰する物質だそうです。
<参考記事>
・Giants of the West:鉄道模型の発煙装置揮発性、沸騰温度、臭い、粘度(べたつき)などが物質の性質により違うようで、

「発煙が思ったほど出ない」「臭いが強い」「発煙がかかった場所がべたべたが残ったまま」「最悪発煙筒から煙が出なくなった」など想定外の事象が起きることも考えられます。

Large Scale Smoke Tips (英語。Gゲージサイズで色々な発煙装置・発煙剤が出ているが組み合わせを変えた実験結果が載っており煙の量など違いが出ている)


■発煙剤はレールクリーニング剤としても使用可能?
LGBの発煙剤は発煙およびレールクリーニング用と明記している。また上記のリグロインについてもレールクリーニングに使用の記事あり。
<参考記事>
・ガッタンゴットン鉄道模型:レールクリーニング集電不良はリグロインで
・第1次トラパシ鉄道模型掲示板:Tad氏 接点復活剤の研究
・Stillberg:Zゲージのメンテナンス 金属製のギアなどを洗浄する際に使用
・時計の歯車洗浄
リグロインによる着物の染み抜き

■走行中に発煙剤の補充を少なくする方法は無いか
発煙剤は車両が走っているとどんどん煙となって消えていくので、補充していく必要があります。(なお発煙剤を入れすぎてしまうと発煙しにくくなってしまうので多めに入れておくわけにもいかない)
今は販売してませんが、1960年代にSeuthe(ゾイデ)から 信号所の形をした”Stellwerk Tankautomat H0”というH0用の発煙剤補充製品があったそうです。
線路をまたぐ形の信号所に発煙剤を入れるかごがあり、その下を蒸気機関車が通過すると煙突にはまるような感じで発煙筒に液を補充します。
・参考記事 Seuthe Stellwerk Tankautomat
・使用時の動画

 

 

 

 

今は生産されていないところからすると需要がなかったのか使い勝手が悪いなどあったことが考えられます。なので現在は自動補充する製品は無いと思われます。

 


■後からゾイデの発煙装置の種類が見分けられるか
中古車両を入手した際に、発煙装置がくっついていたらラッキーなのですが、上記にあった通り同じ形の発煙装置でも製品によって対応電圧が違います。刺さっていた製品種類を見分けらえるかというと、以下のフォーラムを見るとどうも底面の色が違うらしいです。

参考記事:Seuthe Dampfeinsätze - Farbsymbole

 

フォーラムの記事で、自分は完全に読み切れていないですが高電圧対応のNo11やNo24は緑みたいです。確証はできませんが参考程度に。

 

 


■ゾイデ以外の発煙装置製品

 

<参考記事>
・メディカル・アート 英国鉄道模型:発煙装置 スモークユニット (英国First Class Trains社のNゲージ用の発煙筒紹介)
ヴィオラと機関車の部屋:Nゲージにも発煙装置を搭載した製品があるようでその紹介記事です。

 

また完成品には走行に合わせ煙を出す(シリンダーからも)制御をするものまで出てきています。

・名古屋メルぽっぽクラブ:ROCO 68191 BR10

・メル鉄おやじブログ:BR215 010 /ESU32020(ディーゼル機関車)

・アマチュア鉄道模型連絡会> 鉄道模型用 発煙装置について  日本での発煙装置の情報

 

 

 

Water based smoke fluid 水ベースの発煙材らしい

 


【関連情報】

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