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2017年5月29日 (月)

ティルトアダプター+オールドレンズで後ろまでピントが合った鉄道模型写真を撮る

先頭から後ろまでピントが合った鉄道模型写真を撮るために今まで色々工夫をした記事を載せてきましたが、今までのF値を大きくしてピントの合う範囲(被写界深度)を深くする方式はどうしても限界がありました(F値を大きくしてもピント幅も限度がある、暗くなってしまうなど)。

今回は、別のアプローチとして「ティルト撮影」という方法をやってみました。

【原理】
これは「センサー面に対しレンズを傾けて取り付けることで、ピントの合う範囲を斜めにする」というもので、その斜めのピント範囲と模型車両が一致すれば先頭から後ろまでピントが合った写真・動画が撮れます。
雑な説明図ですが以下の感じです。

Photo

詳しい原理や実例などは以下の方の記事が詳しいのでご参照ください。
・ダイヤル式カメラを使いなサイ 「根性ティルトからの軌跡」
・てーへんカメラマンの日々 -seimas- ティルト撮影 実用実験ティルトの効かせ方のコツ
・動画説明(英語)「Lensbaby Edge 80: Tilt Photography Tips
 
※ちなみにこの撮影方法は、映画の初代「スターウォーズ」でオープニングのスターデストロイヤー登場シーンで、手前から奥までピントが合った映像を撮る際に採用された手法だそうです。当時「どうやってミニチュアで全体にピントが合う映像を撮れたんだ」と話題になったそうです。
※以前紹介した、昔の「とれいん」紙1989-7月号のフィルムカメラ時代の模型撮影方法でも紹介されていました。
 

【機材】
で、このレンズを斜めにする方法ですが、この斜めにする機能を持ったティルトレンズという特殊なレンズを使うのが一般的です。しかし、このレンズがとても高いのです(10万~20万円台。ニコンやキャノンから発売されている)。とても簡単に買える値段ではありません。
 
そこでKiponというメーカーから発売されているマウント変換アダプター(一眼カメラで違うメーカーのレンズをカメラに取り付けるためのアダプター)の一種にティルト機能を有したアダプターがあり、これは1万数千円で購入できるので、<アダプタ>+<レンズ>という構成で実施することにしました。
 
<アダプター>
アダプターはカメラとレンズの違いで色々組み合わせがあるのですが、自分は
 【カメラ】マイクロフォーサーズマウント(自分の持っているカメラ(Lumix GX7mark2))
 【レンズ】ニコンFマウントレンズ用(選択理由は何となくレンズの種類が多そうだったから)
を接続するティルトアダプターをアマゾンで購入しました。

Tilt04

※ちなみに、注意書きを見るとマイクロフォーサーズ(オリンパス、パナソニック)の軍艦部(頭のでっぱり)があるカメラは、そのでっぱりとアダプタが当たるので使用不可とのこと。
 
<レンズ>
ニコンのFマウントのレンズは持っていなかったので新たに購入する必要がありましたが以下の選定方法で決めました。
・Kiponのティルトアダプタは電子接点が無いタイプなのでレンズ側にオートフォーカス(AF)機能が合っても動作しない。
→つまりマニュアルフォーカス(MF)のレンズで十分。いわゆるオールドレンズと言われる古いレンズでよい。
・調べてみると、むしろ最近のAFレンズは、手動でF値(2.8,4,5.6,8,・・・)を変えるリングが廃止されているのでNG(KiponのティルトアダプタにつけるとF値が開放値で固定になるらしい)。
→F値の設定リングがついたレンズを探す。

Tilt03

・焦点距離は参考にした記事から20~28mmぐらいのレンズを検討(こちらのサイトのニコンレンズ一覧を参考にさせていただきました)。
 
オールドレンズを扱っている中古カメラ店やサイトを色々探し1万数千円台で「Ai AF Nikkor 28mm F2.8D」というレンズを購入しました。
 

【操作】

Tilt05_2

カメラにティルトアダプター、レンズを付けます。
通常は下のようにカメラとレンズが水平になっていますが、
上のようにティルトアダプター部分を動かすとレンズが傾斜するようになっています。
傾斜部分はオイルフルードなのか重い感じでじわっと移動します。角度が決まったらねじで固定します。

 

Tilt02_5

ティルトアダプターは360度回転できるようになっており、水平、斜め、垂直のところにストッパーがあってカチッと止まります。

これにより撮影対象によって傾斜する向きを変えることができます。
例:
・横方向から撮影→水平
・俯瞰位置から真正面の地面を撮影→垂直
・俯瞰位置から斜め方向の地面を撮影→斜め


【撮影】
・撮影対象:Zゲージ、ラインゴルト列車(全長約60cm)
・絞り値(F値):5.6で撮影
・水平方向から撮影するので、ティルトアダプターの傾斜する向きは水平方向にする。

Tilt01

上:通常(レンズ傾斜0度)状態で撮影(先頭にピント合わせ)。
下:水平方向にティルト(レンズ傾斜)して撮影。
 
・通常の撮影で絞り値F5.6ぐらいでは先頭の機関車ぐらいにしかピントが合いません。
それに対し、レンズをティルトして、列車の向きとピントを一致させると、列車の先頭から最後まで写っています。仮にもっと列車が長くても斜めの位置さえあっていれば最後までピントが合っているはず。
 
・通常のF値を大きく(例F22)する方式だと、同じ条件でこれだけピントが合うのはおそらく難しい。
 
・なおピントの範囲が斜めになっているため、横に並べたHO機関車(距離は同じくらい)にピントは合ってません。これがティルト撮影の特徴です。
 
ティルトアダプタを使った動画撮影例です。離れた距離、近距離、俯瞰の撮影距離で通常とティルト撮影でピント範囲がどう変わるかを比較しています。
 
<その他気づいた点>
・マニュアルフォーカス(MF)、斜めなのでピント範囲の把握が難しいということで、まず先に撮影する対象を決め、その対象に合うレンズの傾きを調整し、向きが決まったら固定して撮影という感じです。
 
・ピント範囲の傾き角度が思ったより大きいので、レンズを傾け過ぎて模型車両と一致する角度を過ぎてしまう場合が多かった。最初はレンズの傾き0度からスタートして、徐々に傾けながら先頭から後ろまでピントが合う角度を見つけるという方法が確実だった。
 
・マニュアルフォーカス操作時にピーキング(ピントが合っている部分に色がつく)機能があるカメラだと便利。列車の先頭部分から後ろまで色がついていればOK。
 
・”斜めのピント範囲に模型車両を合わせる”撮影方法なので万能ではなく、効果が出る撮り方と出ない撮り方があるので、そこを理解の上で撮影する。
 【ティルト撮影でピントが合う効果が出る撮り方】
 〇直線区間にいる列車を水平方向で斜め前の方向から撮影
 〇俯瞰視点で斜め前からたいらなレイアウトを撮影
 【効果が無い撮り方(斜めのピント範囲に対象物を合わせられない)】
 ×カーブ区間にいる列車を水平方向で撮影
 ×直線区間にいる列車を水平方向で”真正面”から撮影
 ×俯瞰視点で凸凹が大きいレイアウトを撮影
 
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【追記】
ティルトで動画を撮ってきました。

T12

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