鉄道模型趣味2020年7月号にランドバッサー橋のレイアウト制作記掲載
先月発売の鉄道模型趣味2020年7月号(No942)に
スイス レイティッシュバーンの有名なランドバッサー橋をテーマにしたセクション制作記が載っています(Nゲージ)。
あの高い石積みの橋と周りの崖を見事に再現しています。
ヨーロッパの風景を模したレイアウト記事は日本の雑誌ではなかなか発表されないのでうれしいですね。
先月発売の鉄道模型趣味2020年7月号(No942)に
スイス レイティッシュバーンの有名なランドバッサー橋をテーマにしたセクション制作記が載っています(Nゲージ)。
あの高い石積みの橋と周りの崖を見事に再現しています。
ヨーロッパの風景を模したレイアウト記事は日本の雑誌ではなかなか発表されないのでうれしいですね。
雑誌「エヌ」などでレイアウト上を走るNゲージ車両の写真などを撮影されている方やKATOのカタログ表紙撮影されているかたの
撮影術ということで購入しました。
・カメラマンへのインタビュー形式でどういう風に撮影しているかを記載。
表紙などで使われる風景は、映画のセットや書割のように撮影される部分だけをレイアウト作成している。
・過去の表紙写真が作品としてたくさん載っていてこういう写真とりたいなという気にはさせる。
・後半は、見せるためのモジュールレイアウト作成手順。この辺は普段の「エヌ」のレイアウト作成記事とあまり変わらない。
・カメラ技術(被写界深度の話やライト、カメラ種類など)はほぼ出てこなかった。
といった感じ。
ちょっと残念なのはカメラ技術的な説明・方法がほぼ出てこないこと。
このままでは、本のように背景レイアウトを作っても、
普通に撮影したら車両先頭とかほんの一部しかピントが当たらず、「作例のように映らないだけど!」となりそう。
インタビューの中にはカメラマンが被写界深度のことなどちょっと触れているが、じゃあどうすればいいのという方法は全く載っていないので
編集側があまり分かっていなさそう。
(シフトレンズ(レンズをスライドさせ、例えばビルの上がすぼまった感じになるのをまっすぐに補正する)、ティルトレンズ(レンズを傾けピント範囲を斜めにする)の違いがあるが一言”シフトレンズ”とまとめて言っていたり)
レイアウトを如何に見せる撮影するかという技術的な話はNardiさんの”鉄道模型の動画撮影”にある「模型映像制作概論」シリーズの方が突っ込んで記載してます。
鉄道模型撮影方法 関連記事まとめ 被写界深度の話やティルトレンズを使った効果などいろいろ試した記事まとめ
スイスのバーゼル駅からTEEラインゴルト号に乗ります。
「バーゼル駅を出発するとすぐライン川の鉄橋を渡ります。川を超えるともう西ドイツです。」
「ラインゴルト号はライン川に沿って走り続けます。」
ここから、ラインゴルト号を自動車並走し撮影した映像。
二階建て展望車は既に外れている時代ですが、食堂車系が2両繋がれています。
最後はヘリコプターからの空撮。
※書籍からの補足:
「TEEヨーロッパ国際特急の旅をした取材班にとって、広いと思っていたヨーロッパが狭く感じました。TEEはヨーロッパが一つであることを証明しながら今も国境を越えて走り続けています」
スイスの続きです。
「フランスと西ドイツの国境に近いスイスのバーゼル、その玄関バーゼル駅はヨーロッパ鉄道の十字路と言われ数多くの列車が行きかっています。」
「イタリアのジェノバに向かうTEE「ゴッタルド」です。
セッテベロと並んでイタリア※の代表的な特急電車です」
※ナレーションの間違い。車両はスイス所属。
「パリとチューリッヒを6時間で結ぶフランスの国際特急アルバレート号です」
フランス国鉄(SNCF)のCC72000型ディーゼル機関車とステンレス客車ですね。
この駅には国内、各国の列車が200本以上出入りしており、このうちTEEは7種類
・エーデルワイス、アイリス:チューリッヒ-ブリュッセル
・ゴッタルド:バーゼル-ジェノバ
・ラインゴルト:ジュネーブ-ボン・アムステルダム
・ローラント:ミラノ-ブレーメン
・ヘルベチア:チューリッヒ-ハンブルク
・アルバレート:チューリッヒ-パリ
TEE以外にも各国の列車が入ってきます。西ドイツのインターシティ列車。
「この列車は、遠くモスクワを出発してベルリン、ハンブルクを経由してバーゼルについたところです。」
「ドイツ、ソ連など各国の車両が繋がれ、この一番後ろのはモスクワからやって来ました。」
※以前紹介した「ソ連からの寝台車」ですね。
書籍によると東ドイツのベルリンでソ連の客車はほとんど切り離され1両だけバーゼルまで来た。
当時は東西冷戦中なので、取材班はなんとかソ連客車の乗客を取材しようとカメラを回し始めたが、すぐにカーテンを閉められたとのこと。
そうそう、子供の頃の東側(共産圏国)のイメージってこんな感じで、下手に知ろう、接触しようとすると大変なこと(逮捕とか)になりそうな雰囲気に思っていました(今の北朝鮮みたいな)。
ところが、そんな当時の東ドイツに蒸気機関車を取りに行ってた日本人が結構いたってのがすごい行動力だと思いました。
IMONの社長さんの東ドイツBR01撮影とか、ブログ「今日の1枚(ヨーロッパの鉄道を訪ねて)」さんの東ドイツザ-ルフェルト機関区の様子とか。
動力付きの販売カーゴです。
「ホームに奇妙な紅白の棒がありますが、実は国境の標識です。正確にはスイスバーゼル駅とフランスバーゼル駅に分かれています。」
「スイス領域ですが便宜的に駅に国境を設けて出入国手続きと税関検査を行ってます」
「乗務員の姿も国際色豊かです。赤い鞄はスイスの車掌。黒い鞄は西ドイツの車掌です。」
次回はラインゴルト号に乗車です。
前回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(6)オートクシェット
次回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(8)ラインゴルト号
南フランス観光の中心ニースの朝からです
パリから出発したTEEミストラル号の様子です。
ミストラル号の通過シーン。ステンレス客車の中に1両だけ赤車体に白い帯の古いキャピトール号用の客車が混じってました。
「ミストラルとは南フランスのローヌ川沿いに吹き降ろす風のこと。国内列車でTEEに加えられているのはミストラルだけです(補記:この後いくつかの国内列車でTEE名乗るのは増える)」
ミストラル号の社内。
※ここで?となるナレーションが。
「客車は1等車と2等車、1・2等の併用車に分かれています。定員は1等車が54人、二等車が66人」
TEEなのでオール1等車のはず。この後の末期でもミストラルは2等車併結してないと思うので何か勘違いしているのかも(コンパートメント車とオープン車の違いとか?)
「こちらは車内バーです。チーズやサンドイッチもありますが、乗客のお目当てはやはりワインのようです。」
「車内バーの外れには売店。日用品や装飾品、土産物が売られてます。」
食堂車は乗車前に予約が必要。フルコースにたっぷり2時間はかけるとのこと。
※書籍から補足:
食堂は回転率悪すぎで赤字とのこと。
予備知識では理髪室やタイピストなどがいるビジネスコーナーがあると聞いていたが1977年の時点でとっくに廃止されていたとのこと(赤字のため)。そういえばJouefのTEEミストラル客車セットにはそんな区分の車両もあったような。
車内の犬の様子。廊下や乗車口付近だけでなく、食堂車の中にも連れてきて他の客も撫でてたりする。
牽引する”CC6501”型機関車の運転室。
※書籍からの補足:リヨン駅で運転室に行き、フランス国鉄広報局発行の「ミストラル車内撮影を許可する」メモを運転手に見せたが「これは車内と書いてあるが、運転室も良いとは書いていない」と突き返されたが、「まあいいよ」というので乗せてもらったとのこと(乗ったらすごい親切だったらしい)。
パリを出てから9時間。ニースにつく頃には日もとっぷり暮れていました(午後10時25分)。
前回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(4)パリのリヨン駅からミストラル号乗車
次回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(6)オートクシェット
次の映像は、パリを出発するところからスタートです。
「パリは行先毎に駅が別れており、ここリヨン駅は南フランスやイタリア方面への始発駅です。」
※補足:バカンスに出かける人の荷物はすさまじくスーツケース2,3個では済まず「2、3週間が当たり前というのが我々のバカンス観とはスケールが違う」との評。ポーターの用意した台車に載せて駅構内へ入っていく。
「ちょうどバカンスシーズンを迎え、リヨン駅はコートダジュールなど地中海沿岸へ避暑に出かけようという人でにぎわっています。」
「たくさんの身の回り品と合わせて犬も同伴です。」
「フランスのTEE「ミストラル」を牽く機関車は”ゲンコツ”という愛称で知られています。」
誰が言い出したか不明ですが、1977年時点で日本では”ゲンコツ”という呼び名は広まっていたようです(フランス語では違う単語表現なので、どなたかがうまい表現を最初にされたのでしょう)。
「午後1時20分、「ミストラル」は南フランスのニースに向けて出発しました。」
前回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(3)エトワール・デュ・ノール号乗車
次回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(5)ミストラル号
前回のTEE提唱者デン・ホランダー博士のインタビュー後、アムステルダム中央駅からヨーロッパ国際特急の旅に出ます。
女性が乗り込もうとしたら扉がしまってしまい、どうしようという様子。
車掌さん。 アムステルダム中央駅を出発するTEE エトワール・デュ・ノール号。ベルギー国鉄(SNCB)の15型機関車と、ステンレス製のVoiture TEE PBA客車が3両。うち1台は電源車兼なので旅客扱いは2.5両分。前回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(2)TEEの提唱者
次回:模型的紹介[NHK1977年]ヨーロッパ国際特急(4)パリのリヨン駅からミストラル号乗車
うなぎのかばやきさんのブログで「ヨーロッパ一周TEE乗り継ぎ夢想の旅」として、模型車両を交えながら1980年頃にTEEでヨーロッパを回ったらという架空旅行記事がありました。
この時の取材内容や裏話などを書籍化した「世界の鉄道」(NHK取材班)も入手したのでそれも踏まえて紹介していきたいと思います。
番組のスタートはオランダのアムステルダム中央駅から始まります。
アムステルダム中央駅は東京駅のモデルになったと紹介されてます。
「このアムステルダム中央駅にはTEEと呼ばれるヨーロッパ国際特急がフランスや西ドイツを結んで何本も出入りしています」
「この列車、西ドイツから来たベートーヴェン号もその一つ。ここで看板をレンブラント号に切り替えて再びニュルンベルク、フランクフルト方面に向かいます」
列車はオランダ国鉄(NS)1100型機関車と客車3両。うち1両は赤・ベージュのTEEカラーでは無く、赤茶色の通常用の食堂車でした。代用でしょうか。アムステルダム中央駅はもう少し続きます。
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