ヨーロッパの鉄道では、今でも基本的にネジ式連結器とバッファーで車両の連結をしています。(電車、ディーゼルカーは大分変わってきているけど)
国境駅でのSBB(スイス)からFS(イタリア)へ機関車交換シーン
イタリアでの機関車同士の連結シーン
このネジ式連結器を、鉄道模型で実用的なカプラーとして再現するのはなかなか難しく、欧州型鉄道模型では見た目を捨てて実用性重視のカプラーが開発され使われてきました。

例:HOゲージ用カプラー
ところが、twitterを見てたところNゲージにネジ式連結器を付けている写真を見つけました。
この”IORI工房”さんというキーワードを元に検索するとホームページが見つかりました。
ホームページを覘くとまだ日本がバッファ・ネジ式連結器を使っていたころの古典車両の模型化を手掛けるサークルらしく、その活動の一環として連結可能なネジ式連結器を作られたようです。
”サークル「IORI工房」で製作したもので量産化できたものを販売しています”ということらしく販売ページでのネット販売や
鉄道模型イベントに出店した際に販売しているようです。
その販売ページを見ると、Nゲージ用のネジ式連結器の他にHOゲージ用もありました。
欧州鉄道模型用の連結器企画である
NEM規格対応版も出してくれているのがうれしいです。
・Nゲージ用ネジ式連結器
欧州型車両用NEM355規格
マグネマティックカプラー取り付け座互換
KATOカプラーポケット用
・HOゲージ用ネジ式連結器
欧州型車両用NEM362規格
KDカプラーNo.5取り付け座互換のねじ止めタイプ(長or短)
入手したHOゲージ用のIORI工房製ネジ式連結器(NEM362規格対応)です。

中には2両分(=4個)ネジ式連結器が入っています。
1箱1000円→1個当たり250円なので、既存の欧州型用カプラーの値段(約150~300円)とも変わりがありません。

作りは、3Dプリントサービスで出力(アクリル素材)したようです。
それによりフック根元の取付穴にチェーン部分が差し込み済みでしかも可動可能というすごい形態を実現しています。
なお、この写真では可動可能といいつつチェーン部分が水平状態で固定されていますが、これはランナー部分が残っているためです。
また、一部白くなっているところがありますが、販売ページの注意書きに出力時のサポート材が残っているので洗浄するよう指示が書いてあります。

チェーン部分を可動可能にするために上記のようにランナーをカットします。また右側の取り付け部分の間にあるランナーもカットします(取付に影響あり)。

ランナーをカットするとこのようにチェーン部分がぶら下がり状態になります。

こうしてできたネジ式連結器をHOゲージの連結器取付穴(NEM362規格)に差し込みます。

左が一般的なループカプラー、右側がIORI工房製ネジ式連結器です。

拡大するとこんな感じ(見やすいようにバッファはずしてます)

なお、反対側がダミーカプラーを付けていたのでそれと比較。少しだけIORI工房製の大きいぐらいで違和感は無いです。

次に客車側にもネジ式連結器をつけて、連結した写真です。客車側の連結器取付穴が高いのかチェーンをひっかけると斜めになりました。


左が機関車側のチェーンをひっかけた例。客車側のチェーンはぶら下がっています。
右は逆に客車側のチェーンをひっかけた例です。どちらでもOKで、牽引も推進もできます。

見た目が断然良くなるIORI工房製ネジ式連結器ですが、いくつか注意および今後の確認事項です。
・連結作業するには、つまようじやピンセットが必要。
・ネジ式連結器の連結位置(フック部分)がかなり上なので、カーブ通過時などでバッファに当たる可能性あり。
・かなり繊細な構成なので、HOゲージの運転にどこまで耐えれるか確認必要(旧カーブ、坂などで引っ掛け部分が外れないか、重量車両の牽引・推進に耐えられるか)。
こちらのtwitterを見るとNゲージでは余裕みたいです。
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